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領土とはなにか「愛国三銃士」との出会い【30歳からの愛国入門】

30歳にもなれば、立派な大人だ。
働き盛り、日本経済を支えるいっぱしの「日本国民」でもある。
日本国民……? 国民……? 国……?
ふと疑問に思った。いったいぜんたい、「国」とはなんだろうか。

私たちは日々一生懸命働いて、「国」を助けている。
でも、「国とは何ですか?」という質問に、正確に答えられる人がどれほどいるだろうか。

読者のあなたにも、ぜひ考えてみていただきたい。
案外むずかしい質問だということが、すぐに分かるだろう。

この記事は、30歳を迎えた大の大人が、立派な「国民」になってゆく物語である。

アラサー、「領土」について学ぶ

高端:前回訪れた「新しき村」では、共同体をつくることはできても、維持することが難しいということを学んだな。

「新しき村」内の廃墟

 

【前回記事】「初めての「国家」のつくり方【30歳からの愛国入門】

四ツ谷:文豪・武者小路実篤のつくったコミューンの名残りだね。まだ存続はしているけど、現在の住人は3人。維持には苦労している印象があった。

北山:とはいえ、国家草創には土台となる土地が必須であることは間違いない。鎌倉武士みたいに、命を懸ける「一所懸命」の土地があってこそ、国民は「共同幻想」を抱くことができ、団結できる。

四ツ谷:改めて、国家の土地、つまり「領土」とは何か学ぶ必要がありそうだ。

高端:愛国の士として、虎ノ門にある「領土・主権展示館」を訪れよう。

【領土・主権展示館公式HP】

四ツ谷:ということでやって参りました。虎ノ門。虎ノ門金刀比羅宮のすぐそばみたいだけど、このビルでいいのか……?

北山:全然入口が分からない。やっぱり根が左翼の俺たちには入れない、「秘密の部屋」なのかもな。

係員:いま改装工事をしていましてね。一旦出てもらって、反対側から入ってくださいね。

高端:なるほど。それにしても、やけに近代的な建物だな……もっと歴史のある展示館かと思ったよ。
「特別警戒実施中」と大々的に書かれているから、国家主義者とかアブナイ人たちも来るのかもしれない。

「愛国三銃士」との邂逅

四ツ谷:良かった。顔から左翼がバレたのかと思ったわ。

高端:お、さっそくかわいいキャラクターがお出迎えしてくれた。

北山:この鳥は有名だよね。Xの投稿にたぎる愛国心を感じるエトピリカのエリカちゃんだ。隣にいるのは竹島のイメージキャラクターりゃんこちゃんと、尖閣諸島のイメージキャラクターアルバちゃんらしい。

高端:「エトピリカ→カニ→肉球→馬→マグロ→ロシアによる北方領土の不法占拠は許さない!(ピ!)」この絵しりとりは秀逸だな。「ピ!」って……。いきなり饒舌になるなよ。

四ツ谷:良い面構えだ。可愛らしい外見の中にも、国を思う赤心を感じる。さながら「愛国三銃士」だな……。

北山:「領土・主権展示館」のXフォロワーは1万人ちょいなのに、「北方領土エリカ」ちゃんのフォロワー14万8千人もいるぞ。

四ツ谷:さすが憂国の士だ。見事にアジテーションに成功している。

係員:来場者全員にポストカードをお配りしています。お好きなものをお選びください。

北山:ありがとうございます。俺はせっかくだから竹島かな。

高端:なにが「せっかく」なのか……。

四ツ谷:俺は北に思いを馳せて「択捉島 散布山」にしよう。

高端:嬉々としてお土産まで受け取って、物見遊山気分だ。

四ツ谷:どんな理由であれ、学びを放棄するよりマシだ。俺たちはちゃんと勉強する姿勢を忘れない。

さて、きちんと勉強してみようか。そのうえで、自分の考えを構築するのだ。
展示はパネルがメインだけど充実している。

北山:「何ら根拠がない」か。どのパネルも、ちょっと口調が強いのが興味深いな。

クリティカルな指摘をするアルバちゃん


四ツ谷:「内閣官房領土・主権対策企画調整室」が運営している
からね。
他国からすれば異論を唱えたい主張もあるだろうけど、最後のパネルでは良いこと言ってるよ。これはその通りだね。

高端:「日本の見解を中心に説明してきました」「どちらが正しいだけでなく、意見の違いをどのように克服したらよいかも考えてみましょう」か。ちょっと最後だけ緩やかな論調だな。別の人がキャプションを書いたのかってくらい。

四ツ谷:非常に冷静で建設的な意見だな。大賛成だ。お互いに聞く耳を持たないと不幸なだけだからね。

北山:そもそも「国」というものが、カチッと固まった永久不変なものだと思っているのが、近代人の陥りがちな勘違いだよ。「国」はあくまで人工物だ。元来柔軟性のあるもので、内からも外からも影響を受けて、形を変え続けるのが普通だ。有史以来厳然たる「日本」や「ロシア」が存在したわけではない。

四ツ谷:4月からイマーシブ・シアターなどを併設して、大きなリニューアルがあるみたいだよ。凄い政治色の薄いパンフレットが出来ている。エンタメから問題意識を醸成する計画だね。

高端:なるほど。北方領土には行くことができないから、「イマーシブ」で体験するしかないんだな。

北山:リニューアルが済んだら「最速レビュー」でもするかね。

さ、国について学んだところで、近くの日枝神社でも散歩して帰ろう。

四ツ谷:コイツ、領土について学びながら歩いてるぞ。

高端:戦前なら表彰ものだな。

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